ものすごくどんよりした日はわくわくする。曇ってるだけなのに、空がおかしくなりそうな気がするんだ。ぼくはそんなことを考える。強風の時は特にそうだ。違う世界に住んでる獣がうなっているような音、吹き荒らされていく自然。不安でじっとしていられないのにどこか安心して、期待する。嵐とか台風の時と似ているかもしれない。でもそれよりも大変なことになると直感する。生きてる人みんなが空を見上げて異変に気付く。空が狂い始める。風が髪を撒き散らす。それはきっと、世界の終わりだ。地球が壊れる時だ。
だから、出かけよう。きっと携帯を持って窓から外を見つめるきみに、電話するよ。
空が狂ったら、片道だけの準備をして、一緒に出かけよう。